リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
無冠レアル、グリーズマン退団……。
リーガで大改造が必要なクラブは?
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byUniphoto Press
posted2019/05/25 11:30
昨年夏にA・マドリーと契約を延長していたグリーズマンも退団。その背景には功労者ゴディンの去就が絡んでいた?
サラビア放出で約22億円を手に。
また、どう転んでもモンチの手腕が称えられそうなのが、パブロ・サラビアの去就だ。今季最も活躍した選手の1人サラビアは、しばらく前からセビージャとの契約延長交渉を始めていたが遅々としてまとまらず、結果インテルやバレンシアへの移籍の可能性が囁かれるようになっていた。
この交渉にモンチは再び火を付け、話を進めているという。サラビアが最終的に移籍を選んだとしても契約解除金1800万ユーロ(約22億円)が支払われるので、セビージャにとっては大商いとなる。
ちなみに3年前、モンチがサラビア獲得に費やしたのはたったの40万ユーロ(約5000万円)だった。
A・マドリーの想定内と想定外。
今季を2位で終えたA・マドリーは、「想定内の状況」と「寝耳に水の事態」に同時に対処しなければならなくなった。
前者はチームの看板であるディフェンスラインの再構築。5月21日の時点でゴディンとフアンフラン、そして、次代を担うはずだったルーカス・エルナンデスの退団だ。
ただし、「想定内」なのはクラブがベテラン2人を全力では引き留めなかったからだ。契約延長交渉の場で両者が望んだ「複数年」を飲みさえすれば、彼らは来季もシメオネのチームに残ったのに……。
一方、L・エルナンデスのバイエルン移籍は数カ月前からわかっていた。
では後者はというと、グリーズマンまでもがクラブに退団を受けたことである。
グリーズマンは昨年の夏、一時は決定的と言われていたバルセロナ入りをやめ、手取り2300万ユーロ(約28億円)の新年俸でA・マドリーとの契約を'23年6月末まで延長した。それなのに何故、またぞろそんなことを言い出したのか。
「クラブ役員やシメオネとの話し合いでも理由ははっきり語らなかった」というのがA・マドリー関係者の言い分である。
親友であり娘の代父でありシメオネ期のチームを文字通り支えてきたゴディンに対するクラブのむごい仕打ちのせい(先述の契約延長交渉)――とスペインの複数のメディアは考えている。