プレミアリーグの時間BACK NUMBER
CLとELはアメコミのヒーロー的決戦?
プレミア4クラブをたとえると……。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2019/05/23 17:30
史上初のCL決勝進出を果たしたトッテナム。ケインの決定力はクラブに歓喜をもたらすか。
チェフにとってのラストゲーム。
5月29日にアゼルバイジャンのバクーで行なわれるEL決勝は、「スパイダーマン」と「アントマン」の対決。リーグ戦は1勝1敗で、どちらに軍配が上がってもおかしくない。
ELスペシャリストが指揮するアーセナルにすれば、CL出場権を懸けた遠方でのロンドンダービーであると同時に、今季限りでの引退を決めたGKペトル・チェフにとっての現役最終戦でもある。モチベーションには事欠かない。
だが、対するチェルシーにも6年前の優勝経験がある。主要タイトル歴がなくハングリーな新監督に尻を叩かれるチームでは、レアル・マドリー移籍が合意済みとも言われる「小さな巨人」アザールが、欧州タイトルというチェルシーへの置き土産を心に誓っているだろう。
CLはリバプール優位の声だが……。
そして、6月1日にマドリードで開催されるCL決勝は、「キャプテン・アメリカ」と「ハルク」の一騎打ちとなる。下馬評では、国内順位での26ポイント差、2戦2勝というリーグ戦対決の結果からリバプールが優位と見られている。
だが、前述したように見下されたトッテナムは怖い。
漫画の世界でもそうであるように、勝敗が予想し難いスーパーヒーロー同士の対決。ただ、ひとつ言えるのは最終的に今季の欧州王者を名乗ることになるのはプレミア、いや、イングランドの2チームであるということだ。