“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
チョウ監督と被るクロップの姿。
大誤審があっても湘南が勝てた理由。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/05/20 17:00
Jリーグ史に残る誤審になったのは間違いない。それでもその苦境を跳ね返したベルマーレは称えられるべきだ。
「ある意味やんちゃな集団に」
プレーだけではなく、メンタリティーの持ち様が、ノンストップフットボールを体現していたのだ。マイナスの要素が起こっても、誰一人気持ちを止めることなく、勝利に向かってエネルギーを向ける。
「チーム全員で抗議もしたし、それで逆に火がついた。終わってみて感じたのは、今の湘南は良い意味で『いい子ちゃんの集団』ではなくなった。湘南の選手はみんないいやつで、サッカーに対して純粋で本当に真面目。でも、悪い意味で優等生過ぎた部分があった。
だからこそ、今日は勝利への貪欲さ、こだわりがむき出しになったし、ある意味やんちゃな集団になれた。これは間違いなく湘南ベルマーレというチームが作り上げてきたものだと思う」
梅崎の言葉が全てを表していた。世紀の大逆転劇は、湘南というチームがこれまで積み上げてきたものが、あまりにも美しく、劇的な形で表に出たものだった。
湘南のDVD『NONSTOP FOOTBALLの真実』が話題となったチームだが、浦和戦でこそ、その本質を観た気がした。