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プレミア隆盛、CL&EL独占は史上初!
“基準”を変えたシティとペップ。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byUniphoto Press
posted2019/05/16 11:15
勝ち点98で今季のプレミア王者に輝いたマンチェスター・シティ。CL制覇は逃したが、改めて強さを見せつけたシーズンとなった。
リバプールの黒星はたった“1”。
イングランド勢同士によるCL決勝は過去に1度だけある。その2007-08シーズンはベスト4にリバプール、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド(そしてバルセロナ)が残り、決勝ではサー・アレックス・ファーガソン監督が指揮するユナイテッドが、アブラム・グラント監督率いるチェルシーをPK戦の末に下して、優勝を遂げている。
また、そのシーズンのプレミアリーグもユナイテッドが制し、チェルシーが2位でフィニッシュしているが、最終勝ち点は前者が87で、後者が85だった。
また、2003-04シーズンに無敗優勝を遂げ“インビンシブルズ(無敵)”と呼ばれたアーセナルでさえ、90ポイントどまり。翻って今季は、シティが98、リバプールが97──レッズは黒星ひとつにして、準優勝に終わっている。
マンチェスターにとどまらず、プレミアの勢力図をも塗り替えた水色の存在感。シティは今季もCLのクライマックスを逃したけれど──ニューリッチの好きにさせないのが欧州の伝統でもある──、彼らと日常的に競うライバルたちがイングランドのプライドを満たした。
欧州カップ戦ファイナルの椅子を独占した背景には、皮肉にもそこを逃したプレミアリーグ覇者の存在が確かにある。