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“五つ星の攻撃陣”はCL優勝仕様。
守備の権化・ユーベが選んだ道。
posted2017/02/09 07:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
新戦術は、まさかの超攻撃的布陣だった。
ユベントスが、昨夏までの豪華補強で揃えた5人の攻撃系プレーヤーを同時起用する挑戦を始めた。
それぞれ個性の異なるFWイグアインとFWディバラ、FWマンジュキッチのトリオ。ドリブラーのMFクアドラドと司令塔MFピアニッチ。ざっと数えて獲得に200億円以上を費やしたスター選手たち5人がハイプレスを仕掛け、ボールを繋ぎ、ゴールを奪う。
4-2-3-1の布陣の中で、見た目もスペクタクルな新戦術の呼び名は“チンクエ・ステッレ(五つ星)”だ。初のお披露目となった第21節ラツィオ戦から、チームはカップ戦を含めて4連勝。5日の大一番インテル戦では難敵を相手に1-0で競り勝った。
「今夜の試合はCLの準決勝のようだった」
「今夜の試合は、チャンピオンズリーグのセミファイナルのようだった。CLで上を目指すには、技術的にハイレベルなチャレンジを続けていく必要がある」
指揮官アッレグリはインテル戦後に開口一番、問われてもいないのにCLへの思いを勢い良く並べた。
彼の頭にあるのは、カーディフでのCLファイナルだ。
“守備の国”の王者ユベントスが、攻撃へ重心を置くシステムの採用へ踏み切った意義は大きい。泥臭く戦うことを身上とするユーベに、まさかの超オフェンシブチーム転向を促したのは、先月中旬にフィレンツェで喫したリーグ戦4敗目だった。