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開幕スタメンの9人中6人が故障。
災難続きのヤンキース、田中将大は?
posted2019/04/27 17:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
2009年以来、世界一の座から遠ざかっているヤンキースが、開幕から1カ月足らずの間に、緊急事態に追い込まれた。主砲アーロン・ジャッジ外野手が4月20日のロイヤルズ戦で左脇腹を痛めて途中交代。翌日、負傷者リスト(IL)入りした。
これでメジャー登録選手としては13人目の負傷。
使い古された言葉にすれば、まさに「野戦病院」の状態となった。
そもそも今季のヤンキースは、多くのケガ人を抱えたまま、船出した。
開幕戦の時点で、昨年、右肘の「トミー・ジョン手術」を受けたディディ・グレゴリアス遊撃手、アーロン・ヒックス中堅手、昨季の開幕投手ルイス・セベリーノ投手、セットアッパーのデリン・ベタンセス投手ら、主軸メンバーを欠いた。さらに、今季限りで引退するCC・サバシア投手が、昨季の報復死球の処分で開幕から5試合目まで出場停止処分を受けたこともあり、明らかに戦力不足の状態でスタートした。
ただ、負傷者が早期復帰すれば、ハイレベルなア・リーグ東地区でも最有力候補に挙げられる戦力になるはずだった。
まるで“オープン戦”状態。
ところが、その後、「負の連鎖」に汚染されたかのように主力選手が続々と離脱した。
4月1日、昨季の新人王争いで2位だったミゲル・アンドゥハー三塁手、大砲ジアンカルロ・スタントン外野手が負傷者リスト入りしたのをはじめ、トロイ・トロウィツキー遊撃手、ゲーリー・サンチェス捕手と、指名打者を含めた開幕スタメン9人(投手を除く)中6人までが、ベンチから消えた。
その間、メジャー経験のあるクリフ・ペニントン内野手、ローガン・モリソン内野手らをマイナー契約で緊急補強したものの、中軸が抜けた穴はあまりにも大きく、他球団のラインアップに見劣りすることは否定のしようがない。
ジャッジ離脱後のスタメンを、一部米国メディアが、主力級が欠場することの多い「オープン戦中の遠征メンバー」と表現するほどだった。各選手によって予想される復帰時期はまちまちだが、フルメンバーが揃うのは早くても夏場以降と見られており、当面の間、苦戦は免れそうにない。
今後、優勝争いから大きく脱落するようであれば、今オフは首脳陣をはじめ、メディカルスタッフの責任問題に発展する可能性も捨てきれない。