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なでしこDF熊谷紗希、3度目のW杯へ。
受け継がれるキャプテンマークの重み。 

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日々野真理

日々野真理Mari Hibino

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photograph byMari Hibino

posted2019/04/24 11:30

なでしこDF熊谷紗希、3度目のW杯へ。受け継がれるキャプテンマークの重み。<Number Web> photograph by Mari Hibino

熊谷はイギリス・BBCの女子年間最優秀選手賞の最終候補5人に選出された。

高校生で代表初出場、2度のW杯を経験。

 そんな熊谷が、待ち望んでいるW杯が2カ月後に迫っている。

 なでしこジャパンでの初出場は'08年3月、ここまで103試合出場、ゴールはまだない。代表に選ばれたばかりの頃はまだ高校生で、練習もうまくこなせずに挫折を感じることもあった。

「でもそこから、次に代表に呼んでもらえた時には、もっとできる自分になっていようと考えました。どうしたら課題を克服できるのかを考え、それを繰り返しました。できないことを、そのままにしたいと思ったことはないから……。そうして、ここまで本当に、一歩一歩進んできたのだと思う。更には、代表でも、クラブでも、優勝という経験が加わり、自信をつけながら成長してこられたのだと思います」

 「一歩一歩」という熊谷だが、その歩みを止めることがなかったからこそ今の活躍がある。'10年には、なでしこジャパンでも存在感を見せ始め、わずか20歳で迎えた'11年W杯ドイツ大会では、全試合にフル出場。アメリカとの決勝戦では、PK戦の4人目のキッカーを務め、決めた瞬間に優勝が決まった。その4年後、'15年W杯カナダ大会にも主力としてエクアドル戦を除く全試合にフル出場し、準優勝に貢献した。

8年間の海外生活で得た自信。

 そして今年フランスで開催されるW杯を、過去2大会とは全く違う心境で迎えようとしている。

「20歳のときは、若いからこそ怖いものはありませんでした。まぁ、今でもないですけれど(笑)。ただ当時は、いかに先輩方に迷惑をかけないかということばかり考えていました。とにかく足を引っ張らないように、と。“必死”という言葉がぴったりでした。

 カナダ大会のときは、4年間海外でのプレーを経験していたから、迷惑をかけないようにというよりは、ある程度自信をもって、しっかり自分のプレーを出そうという姿勢で大会に臨めました。今回は、8年海外でプレーして数々のタイトルをとってきたことが大きな自信になっています。フランクフルトで2年、リヨンで6年、どこの国と対戦しても、チームメイト、または対戦したことがある選手がいるわけです。

 だから、個人的にはどこと対戦するのも怖いと感じることはなく、むしろ楽しみでしかありません」

【次ページ】 キャプテンとして挑むW杯。

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