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修造、ゴールボール挑戦!天摩由貴は
「視覚以外の全感覚」で勝負する。 

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松岡修造

松岡修造Shuzo Matsuoka

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photograph byYuki Suenaga

posted2019/04/28 08:00

修造、ゴールボール挑戦!天摩由貴は「視覚以外の全感覚」で勝負する。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

155cmの天摩さんと、188cmの修造さん。身長差を示すために、修造さんは「失礼します」と天摩さんの手をとった。

床や太腿を叩いて仲間に知らせる。

「私はここにいます」

 そう言うと、天摩さんは床をタンタンと叩き始めた。試合でもこうやって床を叩いたり、手や太腿を叩いたりして、自分の位置を仲間に知らせるそうだ。

 アイシェードをつけた松岡さんが今度はボールのキャッチを試みる。投げるのは天摩さん。心得てますよというように、やさしくボールを転がした。

天摩 床に手をつく形でしゃがんでください。四つん這いになって、膝をついて、ボールが来たらキャッチする。

松岡 おおっ。真ん中に来たから捕れました。でも、僕だったらこうします。両手両足をめいっぱい伸ばして、相手の方に背中を向けて寝そべる。背中なら当たってもいいやって感じで。僕は188cmあるから、これが一番有効だと思うんですけど。

寝ているだけだとバウンドが。

天摩 私たちは基本片膝をついて、ボールが左右に来たら素早く足や手をスライディングさせて、(指先から足の先まで目いっぱい伸ばして)1枚の壁を作って防ぎます。

松岡 申し訳ないですけど、この競技は日本の選手が得意とは言えないんじゃないですか。身長が高い方が守れる幅も広くなって絶対に有利ですよね。

天摩 でも、ただ寝ているだけだとバウンドボールを投げられて上を越されちゃう。身長は高い方が有利ですけど、必ずしもそればかりではありません。

松岡 じゃあ次に、左右どちらか少しだけズラして投げてもらっても良いですか。

 2度3度とキャッチボールを続ける2人。松岡さんが何かに気がついたという表情で立ち上がった。

【次ページ】 視覚以外の全感覚を使ってプレー。

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