ブンデス・フットボール紀行BACK NUMBER
久保裕也の初得点で相手サポ歓喜?
ドイツでも稀な、超仲良し2クラブ。
posted2019/04/20 09:00
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph by
Uniphoto Press
2019年4月12日の金曜日。僕は電車でニュルンベルクへ向かっていました。金曜日の午後ともなると地元の方々は完全にオフモード。陽が高いうちからビールをあおり、すでに旅行に出かける人々で駅舎も賑わいます。
そんな中、僕は20時30分から開始されるゲームに思いを馳せていました。試合終了は22時30分前後。取材後、スタジアムを出るのは23時30分を過ぎるだろうと見越して、事前にニュルンベルク市内に宿を取っていました。
ニュルンベルクは第二次世界大戦前に『ナチス・ドイツ』が党大会を開催していた街であり、激しい空爆によって旧市街は壊滅的な被害を受けました。
しかし、大戦後にかつての都市構造に従って再建を果たし、今ではカイザーブルク城壁やニュルンベルク市庁舎、そして聖ローレンツ教会などの歴史的建造物が当時の姿のままに凛と立っています。
また、街の中心に位置するハウプトマルクトでは、ドイツ最大とも言われるクリスマスマーケットが開催され、国内外から多くの観光客を集めます。現在、ニュルンベルクは国内で最も治安の良い街として知られており、荘厳でありながら穏やかな佇まい、住む方の温かなホスピタリティには定評があります。
熱狂的なシャルケサポが大挙。
そんなニュルンベルクの雰囲気が、この日は一変していました。それは、良い意味で。
ニュルンベルク中央駅へ降り立つと、構内にはシャルケサポーターがぎっしり!
今日のカードはニュルンベルクvs.シャルケ。シャルケサポーターはドイツでも屈指の熱狂度を誇り、アウェーの地にも大勢で馳せ参じることで知られています。それにしても彼らの数が多すぎやしないでしょうか。
ニュルンベルクのホーム、マックス・モロック・シュタディオン。日本では、2006年のドイツワールドカップ当時のフランケン・シュタディオンの方が馴染み深いでしょうか。
スタジアムの収容人数は4万9923人で、ブンデスリーガクラブの中では中規模ですから、アウェーサポーターをそれほど多く収容できません。何より今日は金曜日、れっきとした平日です!