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久保裕也の初得点で相手サポ歓喜?
ドイツでも稀な、超仲良し2クラブ。
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byUniphoto Press
posted2019/04/20 09:00
日本代表の将来を担うべき1人である久保裕也。ブンデス終盤戦での正念場で実力を見せられるか。
金曜夜はもう休日という捉え方。
Jリーグでも金曜日開催の通称『金J』が行なわれるようになりましたが、今季のドイツは金、土、日の3日間に加えて、ヨーロッパ規模の大会に出場するクラブの日程によっては月曜日開催のゲームも組まれるようになりました。
もちろん、リーグ戦の平日開催はドイツでも賛否両論あり、特に月曜日開催については各クラブのサポーターから激しい反発を受けています。
昨シーズン、2月19日の月曜日に行なわれたフランクフルトvs.RBライプツィヒでは、ハーフタイムに観客が抗議の意を示してテニスボールを投げ込む行為も見受けられました。またシャルケのサポーターも月曜日開催には反対の意を示していて、ブンデスリーガに対して「お前らにとっての商品は、俺たちの人生なんだ!」という抗議バナーが掲げられたこともありました。
ただ、こと、金曜日開催に関しては試合間隔の問題で各クラブ、チームの現場から不満の声があがることはあれ、サポーターたちの反応は総じて穏やかです。統計的な総意までは分かりませんが、ドイツの方々はフライデーナイトはすでに休日という捉え方で、土曜日、日曜日に向けた前夜祭的な感覚でリーグ戦を楽しもうとしているのかもしれません。
名物の焼きソーセージ屋で……。
今回のニュルンベルクvs.シャルケにおける大賑わいには、他にも理由がありました。
ホテルにチェックインしようと街中を歩いていると、普段と異なる雰囲気を感じました。まず普段は物々しく警戒に当たる「Polizei(警官)」の方々が柔和な表情を浮かべている。
いつも、街中で大騒ぎした挙げ句に凛々しい女性警官から叱責されてしょんぼりしている荒くれ者たちを見ている僕としては、何とも不思議な光景です。
ニュルンベルク名物の焼きソーセージ屋さんでは、青白と黒赤の両サポーターが呉越同舟して高らかに笑い合い、ドイツ式居酒屋クナイペ周辺でも互いに肩を組んで大声を張り上げています。ブンデスリーガのサポーターは総じて秩序を保っていますが、試合前からこれほどまでに友好的なのは稀です。