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イタリア版「あの天才たちは今」。
最高峰セリエAの門はかくも狭い。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2019/04/18 11:00

イタリア版「あの天才たちは今」。最高峰セリエAの門はかくも狭い。<Number Web> photograph by AFLO

26歳でセリエAにデビューした遅咲きのストライカー、ラパドゥーラ。2017年からはジェノアでプレーしている。

19歳からレンタルで転々。

 ミズラーカがヴィチェンツァでプロの洗礼を受けていた2010年、プリマヴェーラ王者に輝いたのはジェノアだった。

 そのときの優勝メンバーだったFWキネッラートは27歳になった今年、イタリア中部の山間にある人口3万の町グッビオでプレーしている。19歳からずっと腰の落ち着かない、たらい回しのレンタル人生だ。

「全国優勝したときのチームメイトにはGKペリン(現ユベントス)やFWエルシャーラウィ(現ローマ)がいました。僕も彼らと同じようにすぐにセリエAデビューできると思っていましたが、優勝した後レッジャーナという3部クラブに移籍したのが間違いでした。それまで同い年だった競争相手が、いきなり脂が乗ってリーグを知り尽くした30歳前後の選手たちになった。知ってはいたけど、チームのヒエラルキーの一番下からまた始めるのはきつかった。それから僕、5年間ミランの選手だったんですよ、知ってますか?」

 '11年の夏、ミランは確かにキネッラートの保有権を獲得している。しかし、一度もロッソネーロのユニフォームを着させたことはなく、当人は6クラブを転々とした。今、キネッラートの保有権は2部のパドヴァが持っている。

 ユース年代の出世争いで先頭を走っていた頃、怖いもの知らずだった彼らの言い回しは随分大人びたものになっている。観客数1000人にも満たない3部暮らしで辛酸を嘗めれば、変わらざるをえないのだろう。

「1000に1人」となったFWラパドゥーラ。

 近年、遅咲きでセリエAデビューした選手といえば、FWラパドゥーラ(ジェノア)だ。

 トリノ生まれのラパドゥーラは12歳から2年間、ユーベの育成機関にいたことがある。芽が出ずに別のクラブでサッカーを続け、冷や飯喰らいの4部からセリエB得点王に這い上がり、'16年夏にミランへ入団。念願のセリエAプレーヤーになった。

 かつては「セリエA選手になれるのは1000人に1人」と言われたそうだが、実際にはより厳しいという実感がある。

【次ページ】 ユーベのセカンドチーム構想。

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ジャンルカ・ラパドゥーラ
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