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3度のトリプルスリーにMLBも注目。
山田哲人の記録はどれほどレアか。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byKyodo News
posted2019/04/12 11:00
山田哲人はトリプルスリーとともにOPS1超えも3度達成している。MLBでの成功可能性が高い日本人野手の筆頭だろう。
3度のトリプル・スリーはボンズだけ。
現役選手で「30-30」を達成しているのは、ハンリー(以下H)・ラミレス(インディアンス)、マット・ケンプ(レッズ)、ジャコビー・エルズバリー(ヤンキース)、それに前出のトラウト、ラミレス、ベッツ、キンズラー、ブラウンの8人だ。
その中で山田のように「30-30」達成時に打率3割を記録して「トリプル・スリー」(以上)を達成した現役選手は、H・ラミレス、ケンプ、ブラウン、エルズバリー、トラウト、ベッツの6人で、最多がブラウンの2度。山田のように3度も「トリプル・スリー」(以上)を達成したのは、バリー・ボンズが唯一となる。
それぐらい、山田は稀な記録を残している。
日本はメジャーより試合数が少ない。
「メジャーリーグと日本のプロ野球を比べんなよ」
そういう意見に異論はないが、山田の記録は162試合制のメジャーリーグよりも20試合前後も試合数が少ない143試合制の日本プロ野球で達成されたのだ。
オリックス時代に130試合でシーズン210安打を達成したイチロー自身もいつだったか、日本でシーズン200安打を達成することの難しさについて口にしていたぐらいだから、記録達成の難易度そのものは高いと思う。
「日本のプロ野球でなら、そういう記録を達成するのも簡単だろ?」という考えも同じ方法で却下される。それは「昔の野球選手は凄かった」という見方と同じで、「簡単ならば、どうして今まで何人もその記録を達成した選手がいないのか?」という結論に一蹴される。
「狭い神宮球場だしな」
そういう意見も、大小高低様々な形状の野球場や土地で取材している私のような人間にとっては「メジャーリーグにもあることだ」となる。
山田は日本のプロ野球で過去に誰も達成したことがなく、メジャーリーグでもボンズただ1人しか達成したことのない通算3度の「トリプル・スリー」を達成した選手だ。