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3度のトリプルスリーにMLBも注目。
山田哲人の記録はどれほどレアか。
posted2019/04/12 11:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
Kyodo News
日本のプロ野球選手、とりわけメジャーリーグに来たら活躍しそうな有力選手のことは、とても気になる。
その1人が、現在ヤクルトスワローズで活躍中の山田哲人内野手だ。
すでに打率3割、30本塁打、30盗塁以上=「トリプルスリー」を通算3度も達成しており、アメリカの一部有力メディアでも「メジャー移籍が望まれる日本人選手」の1人として、取り上げられている。
実は「トリプル・スリー」という言葉は、メジャーリーグでは聞かない。それに匹敵する言葉があるとすれば、それは「30-30=サーティー・サーティー」だろう。
メジャーリーグで30本塁打、30盗塁を達成した選手は「30-30 club」などと呼ばれる。「トリプル・スリー」同様、特別な存在だ。
30-30を達成した選手たち。
英語版Wikipediaによると、メジャーで最初に「30-30」を達成したのは1922年のケン・ウイリアムス(セントルイス・ブラウンズ=現ボルティモア・オリオールズ)という外野手だったそうだ。
ウイリアムスの記録達成後は34年も「30-30」達成者が出ていなかったが、ウイリー・メイズ外野手(ジャイアンツ)が1956年から2年連続で達成。1963年には後に当時メジャー最多の通算755本塁打を記録したハンク・アーロン外野手(ブレーブス)が達成するなど、「機動力野球を駆使した」と言われるニグロリーグ出身者を中心に達成者が増えた。
1969年に最初の「30-30」を達成したボビー・ボンズ外野手(ジャイアンツ)は、1973年からの6年間で4度、史上最多の計5度も同記録を達成した。それらはジャイアンツで2度、ヤンキース、エンゼルス、レンジャーズでそれぞれ1度ずつ記録され、4球団での達成も史上最多だ。
ボビーの息子で日米野球でも来日し、前出のアーロンを上回る通算762本塁打で新記録保持者バリー・ボンズは、1996年に40本塁打、40盗塁の「40-40=フォーティー・フォーティー」を含めると、パイレーツとジャイアンツで通算5度も「30-30」を達成している。