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名選手=名監督の系譜を大調査。
ペップ、ジダンに続くのは誰だ?
posted2019/04/07 17:00
text by
寺沢薫Kaoru Terasawa
photograph by
AFLO
現代のフットボール界において、最高の監督といえばペップ・グアルディオラだろう。
彼は1971年生まれの48歳。選手としてバルセロナでプレーしたのは1990年~2001年だから、'90年代の欧州フットボールを彩った元レジェンドと言って差し支えないはずだ。
ペップの同年代には、同じく90年代にアルゼンチン代表で活躍したアトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ(48歳)や、トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ(47歳)がいる。そしてマンチェスター・ユナイテッドではオーレ・グンナー・スールシャール(46歳)が今季途中から指揮を執って劇的にチームを甦らせ、さらにはジネディーヌ・ジダン(46歳)も3月にレアル・マドリーに電撃復帰を果たした。
名選手でもあった彼らはここ数年で監督としても才覚を発揮し、どちらの役割においてもビッグクラブで活躍できることを示した男たちである。
そして今、'90年代に選手としての最盛期を過ごしたこの世代の少し下、つまり2000年代初頭にプレーヤーとして活躍し、引退した30代後半から40代前半の「元レジェンドプレーヤー監督」たちが、次々と指導者デビューを飾っている。
ジェラード、ランパードの第一歩。
たとえば、今もお互いに連絡を取り合っているというスティーブン・ジェラード(38歳)とフランク・ランパード(40歳)だ。
リバプール、チェルシーの英雄としてプレミアリーグを長きに渡って支えた彼らは、今シーズンからスコットランドのレンジャーズ、イングランド2部のダービー・カウンティでそれぞれ、監督キャリアの第一歩を踏み出した。
引退後はリバプールのアカデミーで指導にあたっていたジェラードは、レンジャーズに請われてトップチームの監督初挑戦を決断すると、元チームメートで現役時代はよき先輩だったギャリー・マカリスターや元リバプールのチームドクターなど何名かのスタッフを連れ立って「チーム・ジェラード」を結成し、グラスゴーへ。リーグの絶対王者であるセルティックに首位の座こそ譲っているものの、ここまで2位とまずまずの結果を出している。