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マンUを再建しうる最高の観察眼。
スールシャール、母国での修行秘話。 

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ヨーナス・ヤーベル

ヨーナス・ヤーベルJonas Giaever

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photograph byGetty Images

posted2019/04/06 17:30

マンUを再建しうる最高の観察眼。スールシャール、母国での修行秘話。<Number Web> photograph by Getty Images

オールド・トラッフォードで指揮を執るスールシャール監督。ユナイテッド復権はかつてのスーパーサブに託された。

モルデで史上初のリーグ連覇。

 優れた指揮官は、選手それぞれをいかに動機付けすべきかがわかっているものだ。サー・アレックスの選手の性格を見抜く目と、最適なときに最適な役割を与える判断力も、ノルウェー人の教え子は受け継いでいる。

 前述のモストロムはスールシャールについて、「完璧なタイミングと手法で選手から正しいリアクションを引き起こすことができる」と話す。

「厳しく叱咤されて、伸びる選手もいれば、萎縮してしまう選手もいる。彼はそれぞれに合ったやり方で選手の成長を促し、モルデに良好な雰囲気と団結力を生み出していた」

 そのようにして、スールシャールは就任1年目にモルデをクラブ史上初のリーグ制覇に導き、翌年には連覇を成し遂げている。

 だがその後は、プレミアリーグに所属するカーディフの監督に途中就任したものの、クラブを残留に導けず、チャンピオンシップでも不振が続いて2014年9月にウェールズを離れた。翌年にはモルデの指揮官に再任されたが、一次政権時ほどの成功には浴していない。

選手への信頼を隠さない。

 とはいえ、スールシャールはこの間に、指導者としての成長の跡を見せている。リーグ戦で6位、5位に終わった2シーズンを経て、2017年シーズンの開幕前には、「少し教えすぎていたかもしれない」と自認し、「静観する方がいい時もある」と打ち明けている。

 ただいずれにせよ、選手への信頼を隠したことはない。その年の3月、ノルウェー随一の名門ローゼンボリがかつてアーセナルなどで活躍したニクラス・ベントナーを獲得し、この国で史上最大の移籍と報じられた。

 するとスールシャールは電子新聞『ネッタビセン』とのインタビューで、「うちにはビョルン・ベルクマン・シグルダルソンがいる。ノルウェーにいるどんな選手でも、彼の代わりは務まらない」と話している。これに刺激されたアイスランド代表FWは迎えたシーズンで17得点を挙げ、首位に7ポイント差の2位フィニッシュに貢献した。

【次ページ】 ボスはいまだにサー・アレックス。

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