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鳥栖の守護神・大久保択生は
「失点」の恐怖を乗り越えた。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2019/04/04 11:00

鳥栖の守護神・大久保択生は「失点」の恐怖を乗り越えた。<Number Web> photograph by Takahito Ando

鳥栖の正守護神として第5節までリーグ戦全試合に出場する大久保。チームとともに調子も上向きだ。

GKは経験が何よりも重要。

「よく『30歳になったらGKは楽しくなってくるよ』と先輩に言われていたのですが、僕も今年で30歳になる年。毎週新しい発見があって、楽しいと思いながらプレーできています。だからこそ、もうちょっと上を見たいですね。A代表はまた違う景色が見えるので、やっぱり目指したい場所。

 ですが、あまり欲張らず、まずは現在のポジションを奪われないようにやり続けないといけない。鳥栖を上位に食い込ませることで、チームの価値も自分の価値も上げていきたい。その先にまた見えてくるものがある」

 GKはピッチ上の11人の中で最も息の長いポジション。それゆえにしっかりと経験を積まないと上にはいけないポジションでもある。その目安が30歳。今年、そこに到達する彼は、十分すぎるほどの経験と出会いを重ねることができた。

 それはGK人生において幸せなことであり、誰もが到達できる領域ではない。そこに達した者だけが見ることが許されている景色を、彼は新天地・鳥栖で見ている。

「四十にして惑わず」ならぬ「三十にして惑わず」。鳥栖の不動神として、大久保択生はこれからもゴールマウスの前に威風堂々と立ちはだかる。

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