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森崎や青山、城福監督から吸収。
松本泰志は走れる広島産ボランチ。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph bySANFRECCE
posted2019/03/29 00:00
森保監督を元祖にサンフレッチェ広島は名ボランチを輩出してきた。松本泰志もその系譜に名を連ねるか。
飛躍のきっかけはアジア大会。
松本は森保監督就任後、初めての活動となった'17年12月のタイ遠征に呼ばれた。
当初は「初めての代表だったので緊張していた」と振り返るが、そこから試合をこなしていくごとに信頼を掴み取り、コンスタントにメンバー入りを果たす。これまで7度あった活動のうち、6度招集されるなど、チームの中核の1人となっている。
そんな松本がブレイクするきっかけとなったのが、昨年8月に行われたアジア大会だ。初戦で先発を任されると途中出場2試合を含むすべての試合に出場した。
毎試合ボランチの相方が変わる中でもしっかりと自身の役割を遂行し、安定感あるプレーを披露し続け、チームの準優勝に貢献した。
「やっぱり代表にコンスタントに呼んでもらって、試合を重ねるごとにすごく良くなっていった感じがある。その中でも一番はアジア大会に出られた経験がすごく大きい。あの経験はいまの自分につながっていると思います」
ソン・フンミンとも対戦できて。
厳しい環境、連戦、ピリピリとした公式戦。いくつもの要因があるが、松本は笑みを浮かべながら自身のプラスになった経験を明らかにする。
「連戦を経験できたこと。それと最後の決勝戦で、すごく強い相手と対戦できた。韓国のソン・フンミンなど高いレベルのリーグでやっている選手たちと対戦できたのは、すごく自分の成長につながっているなと思います。ああいう経験はあまりできないし、Jリーグはトーナメントではないので緊張感も違う。振り返ってみても、すごくよかったと思います」
特に良さが光ったのは、プロになってから改善された守備だった。相手に体を当ててボールを奪い、素早くボールを展開する。松本の進化がそこに見えた気がした。