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イングランドの二重国籍選手問題。
20歳ライスは裏切り者ではない。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byUniphoto Press

posted2019/03/27 10:00

イングランドの二重国籍選手問題。20歳ライスは裏切り者ではない。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

EURO2020予選のチェコ戦でイングランド代表デビューを果たしたライス。成長著しい20歳には強豪クラブも関心を寄せている。

エースFWのルーツもアイルランド。

 サウスゲイト体制下のイングランド新時代は、28年ぶりのW杯4強入りが実現した昨夏、本格的に幕を開けた。そのロシア大会で白星スタートを切ったチュニジア戦(2-1)での先発イレブンで、祖父母の代まで純血のイングランド代表選手は5名だけだった。

 2得点を決めた当時24歳の主砲ハリー・ケインも、アイルランド生まれの父親を持つ身だ。そう考えると、二重国籍選手の代表選択に対する批判がナンセンスだと理解できるのではないだろうか。

 代表選択に際し、「平等に敬意を抱いているイングランドとアイルランド」間の、「ものすごく困難な選択」を、「自分の将来に何がベストかを頭と心で判断した」と伝えた20歳のライス。そのツイートは立派である。

 時代に適した声明文のテンプレートにもなりそうなライスの呟きをもって、複数国籍を持つ選手への対応と反応も新たな時代の幕開けとすべきだ。

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