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「打点王も獲りたかったんですよ」
ライオンズには山川穂高がいる! 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byKyodo News

posted2019/03/27 11:15

「打点王も獲りたかったんですよ」ライオンズには山川穂高がいる!<Number Web> photograph by Kyodo News

ホームラン後、カメラ前でパフォーマンスする山川。お茶目な主砲の姿を今年は何度見られるか。

プロの世界でプロセスはいらない。

 おもしろいキャラクターばかりがクローズアップされることについて、どう感じるかと聞くと「全然、それでいいんですよ」と意に介さない。

「僕が必死に練習してる姿なんか、別に知ってもらわなくてもいいんですよ。だって、それをファンの方が知ったところで『山川はあんなに練習してるから、今年はホームランを打てなくてもいいよ』なんてことにはならないじゃないですか。打ってこそ、初めて、みんなが評価してくれます。プロなんて結果がすべて。天国か地獄かしかないこの世界で、過程とかプロセスはいらないと思います。誰もそんなところ見てないよって」

 実際、山川の練習量は多い。特に'18年はアーリーワークのために午後12時にはグラウンドで体を動かし始める。試合が終わるとそのまま室内練習場へ。昨年、福岡ソフトバンクとのクライマックスシリーズ・ファイナルラウンドの最中も、室内練習場へ赴きバットを振っていた。

「練習しなくても天才的に打てる人はそれでいいし、練習しないと打てない僕みたいな人は練習すればいい。ただ、それだけです」(山川)

ハワイでも「野球」がよぎる。

 昨年12月、ハワイで結婚式を挙げたが「バットを持っていかなかったので不安だった」と笑う。

「すごく楽しかったし、幸せなんですけど、一方で『練習できない!』って怖かったです。でも野球をやっているうちは、ずっとその不安と戦わないといけないでしょうね。野球選手でいられる時間は、長くても10年ちょっと。そう考えるとやはり毎日、バットを握っていたいんです」

 昨シーズンはリーグ優勝を果たしたものの、クライマックスシリーズ・ファイナルステージで敗れた。4番の山川は相手投手の継投策の前に、1割台の打率に抑え込まれた。

 リーグ優勝の喜びよりも、「その悔しさのほうが大きい」と語る主砲は、きっと雪辱に燃えているはずだ。

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