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オリの“ジャイアン”は用意周到!?
新5番候補・頓宮裕真に漂う期待感。

posted2019/03/26 07:30

 
オリの“ジャイアン”は用意周到!?新5番候補・頓宮裕真に漂う期待感。<Number Web> photograph by Kyodo News

3月16日の広島戦。昨季セ・リーグ最多勝の大瀬良からレフト上段へ叩き込むホームランを放った頓宮。

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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Kyodo News

 新戦力についつい目が行きがちな開幕直前のプロ野球界。でも、もしかすると……ブレイクの可能性を秘める無名選手が、息を吹き返すベテランが現れるかもしれない。そんな期待を込めて、各球団のダークホース的な選手たちを集めてみました! 今回はオリックス・バファローズの頓宮裕真選手です。

 オリックスのドラフト2位ルーキー、頓宮裕真(とんぐう・ゆうま)が、クリーンナップで開幕を迎えることになりそうだ。

 キャンプこそ、二軍スタートだったが、実戦で安打を続けてキャンプ後半に一軍に昇格。オープン戦は6番でスタートし、終盤は5番に落ち着いた。捕手から三塁に転向したばかりの守備にはやや不安が残るが、打撃でカバーしている。開幕戦で新人がクリーンナップに座れば、球団では62年ぶりの快挙となる。

 オープン戦初戦となった3月5日の京セラドーム大阪での東京ヤクルト戦では、8回に5階席のフェンスに直撃する特大の本塁打を放ち、地元のファンをどよめかせた。

 頓宮は、観戦も含めて1度も京セラドームを訪れたことがなく、その日、初めて足を踏み入れた。試合は18時開始だったが、11時半に球場を訪れ、初めて経験するそのドームに慣れるために、まずグラウンドを大きく1周歩いて回った。

「グラウンドに入った瞬間、あ、これ1周しないと地に足がつかないかな、と思ったので。遠くを見て、距離感などを確かめながら歩きました」と頓宮は振り返った。

 181cm、98kgのごつい体や特大の本塁打から、つい豪快なイメージを持ってしまうが、実は緻密で用意周到だ。大学1年の頃から、野球のことを突き詰めて考えるようになったという。

大学時代にイップスを克服。

「大学1年の時にイップスになって、もうボールを見たくないぐらいの状態になりました。でもそれをきっかけに、自分で考える力をつけたというか、やっぱりちゃんと勉強しないとなと思って。そこから自分の姿を見るようになりました。それまでは自分の映像を見ることに興味がなくて、感覚だけでやっていた部分があったんですけど、映像を見てみると、自分が思っていたよりおかしかったり、いろいろなことがわかりました」

 他の選手の投げ方と比較した結果、投げる時に左肩が開いてしまっていることに気づいた。そこで、投げる瞬間に左手を右胸の前に持ってくるよう意識し、左肩が開かないようにすることでイップスを克服した。

「自分の姿を見るようになってからバッティングフォームも変わっていったので、その面ではよかったのかなと思います」

【次ページ】 同僚・山本由伸とは“お隣さん”。

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頓宮裕真
山本由伸
吉田正尚
亜細亜大学

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