とても頼りになる語り手に。

　だが、今夏開催されるコパアメリカを含めて、今回のように招集できないこともあるだろう。となると、1つの招集期間を通したゲームキャプテンを誰が務めるのかは1つのテーマとなる。

　今回のメンバーで見ると、昌子源も適任ではあるように思えたが、コロンビア戦でキャプテンマークを巻いたのは柴崎だった。

　柴崎はこのメンバーの中で、ロシアW杯とアジアカップの両方で主力としてプレーした唯一の選手である。

　ロシアW杯メンバーに入った頃からだろうか、柴崎はピッチ上での重要性もさることながら、メディア対応の場面でも覚悟を決めたように話すことが多くなった。話を聞く側、取材する側としても、とても頼りになる語り手のひとりなのである。

真摯に丁寧に答えてくれる。

　ボランチというポジション柄、ピッチ全体を見渡した戦術的な話から、精神的な話まで、決して笑いを交えてというタイプではないが真摯に丁寧に答えていく。スペインではどうなのかはわからないが、日本代表期間中はきちんと話をすると決めているのだろう。

　コロンビア戦後のコメントも、柴崎ならではのものだった。

　前半はコロンビアを相手にしてもプレッシングが効いていたが、後半は自分たちのプレーが落ちていった。前半のような戦いを後半も続けなくてはいけなかったと感じていたという。

「前半は押し込める時間帯もあった。後半は流れを引き寄せられなかった。相手はその流れの中で決め、自分たちはそれができなかった」

　試合後半から終盤にかけては、W杯ベルギー戦を例に出して話した。

「ベルギー戦のように押し込まれる時間帯になるともろい。なるべく高い位置で守備をしてボールを奪いたい。選手全員がそれを続けられる、強度が必要」

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