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ホンダのF1技術、ついに開花す!
今季開幕戦で11年ぶりの表彰台。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byKyodo News
posted2019/03/18 11:30
今季開幕戦、オーストラリア・グランプリのレース終了直後、レッドブル・ホンダのスタッフに迎えられるマックス・フェルスタッペン。
「レースは何が起きるかわからない」
31周目にオーバーテイクを成功させて3番手に浮上すると、今度は昨年のチャンピオンのメルセデスのルイス・ハミルトンに追いついた。
抜けば2位、抜けなくても3位という状況で、レースは終盤へ突入する。
それでも、ホンダのスタッフは「レースは何が起きるかわからない。終わるまで怖かった」と田辺が述懐したように、チェッカーフラッグまでの時間をこれまでになく長く感じていたのではないだろうか。
「自分たちの技術を信じて開発を行ってきた」
スタートから1時間25分後。
フェルスタッペンが3番手でコントロールラインを通過すると、ようやくホンダのスタッフは緊張感から解放され、田辺の顔にも笑みが戻った。
「さまざまな準備をし、トラブルなくここまでやってきて、最終的に表彰台に上がったことに対しては、非常にいい結果だったと思っています。
いままで自分たちの技術を信じて開発を行ってきたメンバーたち、さらにわれわれに協力してくれているメーカーやスポンサーさんたち、そしてホンダをサポートしてきた多くのファンの方々にお礼を申し上げたい」
表彰台の下で、3位表彰台に立っているフェルスタッペンを見て、こみ上げるものを感じた。
「正直、うれしいです。レースというのは(PU単体で戦っているわけでなく)チームやドライバーとの共同作業ですが、復帰してからここまで4年間やってきて、ホンダは一度も表彰台に上がっていなかったわけだから、自分たちのPUを搭載したクルマが表彰台に上がったということは明らかな一歩前進です。長い間、開発してきたメンバーにとっては大きな自信となると思います」