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「ポスト坂本勇人」の遊撃手を!
巨人・吉川尚輝の天才性とは。
posted2019/03/15 17:30
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kyodo News
能力の高さは折り紙つきである。
3月10日に京セラドームで行われた日本代表対メキシコ代表の侍ジャパン強化試合。この試合で「1番・ショート」で先発した巨人・吉川尚輝内野手が注目を引いたのは、その守備力の高さだった。
1回にいきなり2本のゴロを処理すると、最初の見せ場は2回だった。
フェルナンド・ペレスの三遊間の打球を逆シングルで捕球。すぐさまジャンピングスローで一塁に送球してアウトにした。その後も9回に二塁に回るまで、遊撃では11回の守備機会があり、1失策はしたものの、三遊間の深い位置や緩い当たりでの前へのチャージ、そして二遊間の打球と右に左に前にと広い守備範囲を見せつけたのである。
「まだまだミスもあったし、そういうのをどれだけ少なくしていけるか。ただ、緊張感の中でプレーして、いい経験はできたと思う」
試合後の吉川のコメントだった。
複数ポジションをこなせる吉川。
もともとプロ入り前の中京学院大学まではショートを守っていたが、ご存知のように巨人での現職は二塁である。
しかしベンチ入りメンバーも24人と制約の多い東京五輪を睨んで、複数ポジションをできることが選手選びの1つの条件である。
「(巨人では)セカンドだけど、ショートもやってもらおうと考えている」
稲葉篤紀監督もそこを意識した上での、吉川の今回の遊撃起用となったわけだ。