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MotoGP開幕戦カタール、徹底検証。
ホンダ、そして日本人ライダーが躍進!
posted2019/03/12 17:45
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph by
Satoshi Endo
どんな結末になるのだろうとわくわくどきどきした開幕戦カタールGPは、終わってみれば、去年とまったく同じ展開、そして結末となった。優勝したのはアンドレア・ドビツィオーゾで2年連続の開幕V。3年連続チャンピオンのマルク・マルケスは、今年もわずかの差で優勝を逃した。
優勝したドビツィオーゾは、ウインターテスト、そして開幕戦を迎えても、調子がいいのか悪いのかもわからないマイペースでの調整が続いた。しかし、予選ではきっちり2番手タイムをマーク。決勝では、今年もまた、最終ラップまであきらめないマルケスの執拗な追撃を振り切った。
昨季よりも面白くなったレース展開!
タイム差も、2年連続でほとんど同じ。昨年は0.027秒差。今年は0.023秒差。去年の優勝タイムは42分34秒654で、今年は42分36秒902と約2秒差。2人がゴールする写真を見ると、350km/hで通過するフィニッシュラインを、約2メートルほどの差でドビツィオーゾが先着した。
去年との違いはトップグループの台数だけ。
昨年は2人の一騎打ちだったが、今年は終盤まで8台がトップグループを形成した。ラスト2周は2人の一騎打ちとなったが、去年に比べるとはるかに面白い展開。はらはらどきどき度数では、今年がはるかに上回った。
優勝タイムはほとんど同じだが、マシンとタイヤの進化はあきらかだった。
ドビツィオーゾとマルケスがフリー走行の連続ラップで刻んだタイムは1分55秒台。しかし、決勝レースがスタートすると、前半は1分56秒台のスローペース。それがトップグループが8台に膨れあがった理由のひとつで、とてもついていけないだろうと予測していたライダーたちが、思いのほか遅いペースに俄然やる気になり、トップグループの戦いは白熱した。