ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
なぜDeNAが下関でオープン戦?
70年前の「マルハ」から連なる愛。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2019/03/07 17:00
1998年優勝パレードで、下関のファンから祝福を受ける権藤監督(当時)。
打たれたら打ち返す、それが「マルハ」。
この話を聞くと現在のDeNAの投手陣とかぶる部分が多いと感じる。
先発陣、中継ぎ陣の仲は良好で、誰をいじっても角が立たない関係。一方で、試合となり誰かが打たれれば、代わりに俺がやるといった気概が個々にあふれている。
「松原誠さんや山下大輔さんら野手も、打たれたら打ち返してやる。俺たちがしっかり守ってやるっていったタイプが多かった。それがマルハなんだよ。
ただ同級生の田代(富雄)だけは、いつも『打てなくて悪いな』と謝っていたけどね(笑)」
大海原で鯨と格闘した男気あふれる漁師の系譜なのか、ホエールズには義侠心のある選手が多かった。
そして現在、DeNAにも強いリーダーシップを発揮する筒香嘉智をはじめ、そんな選手たちが顔を揃えている。ただ当時と違うのは、確実にチームとしての実力を向上させていることだ。
創設70周年のオープニングを飾る下関でのゲーム。オリジナルのユニフォームを身にまとい『フィールド・オブ・ドリームス』のごとく球場に舞い降りる鯨戦士たちを、下関のファンは果たしてどのような気持ちで見つめるのだろうか。