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小宮山悟監督で早稲田は復活するか。
野球部を「あるべき正しい姿に」。
posted2019/03/07 07:00
text by
清水岳志Takeshi Shimizu
photograph by
Yuki Suenaga
東伏見にある早大野球部、安部寮の応接室。
20代目の監督には「圧」があった。分かり易く言うならオーラだ。プロ野球経験者で、しかもメジャーのマウンドにも立ち、通算117勝を挙げている。やはり修羅場の経験が自信になって伝わってきたのだと思う。
小宮山悟、53歳。183cmは、首脳陣の中でも最長身。サングラスをかけてノックバットを手放さないその姿は、グラウンドでも際立つ。
早大野球部は2019年1月1日から、この男に指揮を委ねた。
「昼夜が逆転しました。評論家時代は夜11時のスポーツニュースに出てましたからね。グラウンドに8時には来るので、家を7時に出ます。5時半に目覚ましなしで起きられるようになりました。ただ、グラウンド以外の業務が多くて、なんとかしてくれと(笑)」
学生の授業のある期間は練習開始時刻がまちまちで、夜10時までグラウンドにいることもあるそうだ。
70年ぶりの最下位も経験。
早大は2015年秋を最後に、東京六大学リーグの優勝から遠ざかっている。2017年秋には、東大と並んで70年ぶりの最下位も経験した。
1月5日、小宮山監督の就任初日の練習。ランニング中に笑顔を見せていた部員たちに、さっそく雷を落とした。
「走り終えて、達成感があって笑顔になるのはいいんです。あれは走ってる最中に奇声を上げていて、傍から見たらふざけているようにしか見えなかったので」
新主将は、早実出身の強打者・加藤雅樹。プロも注目する素材だからこそ、監督の評は手厳しい。
「プロを目指すというならすべての面でまったくダメ。2年春に首位打者を取って、それ以後、成績を落としたままなんて、死ぬ気でやっていたのか」