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中島翔哉の信念は「自分の良さ」。
カタールで築く新たな成功モデル。
posted2019/03/03 10:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
多くの人にとって不思議なものに映ったのかもしれない。では、その意味は誰が決めるのか。
中島翔哉がポルトガルのポルティモネンセから、カタールのアル・ドゥハイルへと移籍を決めたとき、その真意をはかりかねる意見は多かった。
それゆえに、移籍を伝える中島のブログには「僕個人の考えや決断が全員に理解されることはないと思いますし、同意してほしいわけでもありません」、「今回カタールのアル・ドゥハイルへ移籍することはポルティモネンセや代理人が決めたことではなく、自分の意思で決めました」といった言葉が並んだ。
しかしもしかすると、懐疑的な反応が多かったことは、彼の選択に時代が追いついていないことの表れかもしれない。
確かに、ヨーロッパを舞台に所属するクラブの格を上げていくという、確立されたステップアップのモデルはある。そこから中島が外れたことが残念だと、サッカーファンが考えるのはわからないではない。
ただ、ここから、新しいモデルが生まれる可能性があることは頭に入れておく必要がある。
カタールでさらなるスピードを。
2月23日、アル・ガラファとの試合で移籍後2試合目を戦った後のこと。ペナルティエリアで足をかけられて倒されたもの、ノーファールだったことについて問われ、中島はこう答えた。
「今日の審判もそうでしたし、カタールリーグを見ていても、そういう試合が多いです。審判のせいにするのではなく、乗り越えていくためにより早い判断やスピードを身につけたいです。ここでプレーするのは、本当に良い機会だと思うので」
カタールで、判断力やスピードを磨いていきたいという中島の発言は詭弁ではない。一体、どういうことか。
実は、日本ではあまり知られていないことがある。AFCのリーグランキングについてだ。
UEFAがリーグランキングを作成し、そのランキングによって、各国リーグのCLやELの出場枠の割り当てを決めているように、もちろんAFCも同じようにリーグのランキングを設定している。
そのAFCのリーグランキングでトップに位置するのが、カタールのカタール・スターズ・リーグなのだ。クラブチームの圧倒的な成績によって、カタールがアジア内で首位に立っている。