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中島翔哉の信念は「自分の良さ」。
カタールで築く新たな成功モデル。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2019/03/03 10:00
アル・ドゥハイルでの初ゴールをマークした中島翔哉。活躍する場所がどこであろうと、そのテクニックで世界を震撼させてほしい。
中島の移籍金は史上最高額。
「このクラブで歴史を作るんだ!」
ことあるごとにファリア監督が口にする理由も、そこにある。
ファリアのもとでクラブが新たなスタートを切るにあたって白羽の矢がたったのが中島と、かつてバイエルン・ミュンヘンなどでも活躍して、この冬にユベントスから加入したメディ・ベナティアなのだ。
ドイツの『Transfermarkt.de』が算出する選手の市場評価額を見てみると、中島がカタールリーグ1位の1800万ユーロ、ベナティアが2位の1500万ユーロにつける。2人を含めてトップ5の中にアル・ドゥハイルの選手が4人も入り、選手の市場価値の総額も2位アル・サッドの3倍以上になっている。
「日本人史上最高額」と日本で報道された推定3500万ユーロの移籍金は、カタールリーグの移籍金としても史上最高額だ。それまでの最高額が、メキシコのクラブアメリカから2013年に移籍してきた故クリスティアン・ベニテス氏の1170万ユーロだから、いかに大きな存在かがわかる。
クラブ、監督からは「象徴」と。
クラブの副会長カリファ・カミス氏はこう話している。
「中島とベナティアが、これからチームとともに成功をつかみとってくれることを望んでいる。我々は常に、クラブにとってベストを尽くすことにしている。長い期間にわたって交渉を続け、クラブにとってベストを求めて、彼らを加えることができた」
そんな期待の表れからだろう。クラブも、ファリア監督も「象徴」という表現を用いている。クラブは中島らの移籍を公式発表した際に、こう発信した。
「リーグタイトルの防衛と、ACLにおける特別な地位を求めている我々のチームにとって彼らは重要で、『象徴』となる存在です」
ファリア監督もこう話している。
「彼ら2人がチームに足りなかったものを補う『象徴』になってくれることを望んでいる」