スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
大谷翔平と同年代の注目株。
21歳でOPS9割超、怪物の名は……。
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byAFLO
posted2019/03/02 11:00
昨年、大谷翔平はメジャーリーグの新人王に選出された。ただ同年代にはゴロゴロとスーパースター候補が居並んでいる。
打者・大谷とほぼ同じ数字。
話をもっとややこしくすると、ソトは5月21日の対パドレス戦(事実上のデビュー第2戦)でも、初先発、第1打席、初球本塁打を記録している(ちなみに、大リーグに昇格した5月20日の対ドジャース戦初打席では三振)。なんともはや。
結局、シーズンを終えてみると、414打席、22本塁打、OPS=.923。これは、打者・大谷とほぼ同じ数字だ。アクーニャが7月以降、着実に調子を上げていかなかったら、ソトが新人王になっていたのではないか。
彼ら以外にも注目株は少なくない。
外野では、アンドルー・ベニンテンディ(レッドソックス)やブランドン・ニモ(メッツ)が侮れない。前者は、ボストン期待の星で、'17年こそ新人王を逃したものの、着実な成長を見せている。2018年は、2割9分、16本塁打、21盗塁。盗塁死はわずか3個だった。
ニモは昨年、4割4厘と高い出塁率を残した。これは、マイク・トラウト、ムーキー・ベッツ、ジョーイ・ヴォット(錚々たる顔ぶれだ)に次いで大リーグ全体で4位。大リーグ最多の22死球は、球に向かっていく姿勢の表れだろう。
新人で151回、182三振の投手も。
投手では、ジャック・フラハティ(カーディナルス)も見逃せない。昨年は8月に4勝0敗の好成績を残したあと、9月に0勝3敗と不調に沈んでミソをつけたが、この壁を破れば伸びる可能性があるはずだ。新人で151イニングスを投げて182三振を奪える投手は、なかなかいない。
というわけで、大谷世代には、眼を離せない成長株がずらりとそろっている。今季の大谷はDHに専念する予定といわれているが、戦う相手は同年代の選手だけではない。年長の実力者はもちろん、いまはまったくノーマークの若手が、彗星のように現れてくる可能性も十分に考えられる。
大谷の活躍を期待しつつ、彼以外の才能もじっくりと観察していこうではないか。