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<4人の先発投手の奮闘>黒田のいない136試合。~野村祐輔/大瀬良大地/薮田和樹/岡田明丈~ 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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photograph byNanae Suzuki

posted2017/10/01 11:30

<4人の先発投手の奮闘>黒田のいない136試合。~野村祐輔/大瀬良大地/薮田和樹/岡田明丈~<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

野村祐輔。

 昨季25年ぶりの優勝を置き土産に黒田博樹が引退し、エースの座を巡ってしのぎを削った若き先発投手たち。
 連覇は彼らの切磋琢磨なくしてなしえなかった。

 広島投手陣が周囲の予想を見事に裏切った。下馬評は決して高くなかった中で、37年ぶり連覇。大黒柱不在の先発陣は、強力な攻撃陣や生きのいい中継ぎ陣のサポートを受けながら、若い力が躍動した。

 昨年まで絶対的な存在だった黒田博樹が引退。登板24試合で10勝という数字以上の喪失感は「黒田ロス」とさえ言われた。さらに開幕直後には沢村賞左腕クリス・ジョンソンまで離脱の事態に陥った。だが、広島の若手投手は「僕らにとってはチャンス」と奮い立ち、しのぎを削った。


 台頭したのが、3年目の薮田和樹であり、2年目の岡田明丈。大瀬良大地も復活した。野村祐輔を含めた4人の平均年齢は25.5歳。馬力はあるが、安定感を欠く。頂点までの道のりは昨年と大きく異なる。黒田とジョンソンの左右の大黒柱を両輪に安定した戦いで頂点まで上りつめたのが'16年ならば、今年は4月に10連勝、9月に9連勝と加速力はあっても、一方で9点差逆転負けや3戦連続サヨナラ負けなど急失速する脆さもあった。2人でも3人でも足りない。4人いたからチームを支えることができた。頂点に立つまでの136試合、まるで補い合うように、4人がチームを支えてきた。

 シーズン序盤。2年目の岡田がまずチームを勢いづけた。登板2試合目の4月8日ヤクルト戦では8回まで無失点の好投(8回1/3、1失点)で今季初白星を挙げると、次戦は9回1失点でプロ初完投。6月までに昨季の4勝を上回る7勝を積み重ねた。

 だが、精神的な不安定さが投球に表れた。5月6日。9点差逆転負けを喫した阪神戦に先発した。9-1の6回。先頭打者への四球からピンチを招くと、1イニング4四死球を与えて降板した。「『なんで?』という言葉が頭の中にあった。なんで打たれる? なんでボールになる? どうしたら止まるのかも分からなかった」。快調に白星を積み重ねてきたところに落とし穴があった。

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