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10秒0台の年数。~桐生祥秀が誰よりも9秒台に近いことを示す数字~
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byAFLO
posted2017/05/19 16:30
今年3月、オーストラリアのサマー・オブ・アスレティクスGPでは、桐生が10秒04、山縣は10秒06だった。
リオデジャネイロ五輪の陸上競技、男子400mリレーで日本が銀メダルを獲得して以来、メンバー4人の中で100mを中心に走っている桐生祥秀、山縣亮太、ケンブリッジ飛鳥の3人は、個人でも世界大会のファイナリストを目指す存在として、注目度は格段に上がった。
今年の春季サーキットにも出場している選手の中で見ると、100mで10秒0台を記録したことがあるのは桐生、山縣のほか高瀬慧もいる。日本のトップ選手にとって、10秒0台は珍しいものではなくなってきた。
日本の歴史上で10秒0台を記録したことのある選手は全部で8人。ちょうど20年前の1997年、朝原宣治が初めて記録(10秒08)して以来、下のデータに示した8人の選手が記録してきている。その中、五輪の舞台で10秒0台を出したのは山縣だけで、2012年のロンドン五輪の予選(10秒07)と、リオデジャネイロ五輪の準決勝(10秒05)で記録している。五輪で出した10秒0台は、いずれも彼にとって、その当時の自己ベストでもあった。五輪で自己ベストを出したという意味まで考慮すると、山縣の記録には独自の重みがある。