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菊池雄星が自主トレに連れて行った
3人の後輩に伝授した「成長の方法」。
posted2019/02/13 08:00
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph by
Kyodo News
2月1日からキャンプが始まり、各球団、熾烈なポジション争いが繰り広げられている。
強烈なインパクトを残す選手、取り残された感のある選手など出だしは様々だが、その答えはキャンプ中というより、それ以前の取り組みで決まってくるのではないかと思う。
キャンプというのは、それまでに取り組んできたことを首脳陣に示す機会であって、キャンプを境にどう変化していくかは技術や能力のことではなく、立ち位置を示しているのであろう。
キャンプに入るまでの自主トレーニングで、答えは出ている。
それはどのようなトレーニングをしてきたかということに加え、シーズンを良い方向に向けていくためのマインドの変化にまで至る。
そんなことを思ったのは、今季からメジャーに活躍の舞台を移す菊池雄星が、西武時代の後輩3人を連れて行った今年1月の自主トレーニングの練習風景が過酷なものだったからだ。
1日トレーニングをして、夜は勉強会。
「自主トレ」というより「トレーニングキャンプ」。
1月の石垣島は、穏やかな場所ではなかった。
午前の練習では、アップで身体のエンジンを次第に温めてキャッチボールやピッチングなどを行う。それらを終えるとアジリティーを中心とした動きのあるトレーニング。昼食を挟んでからはトレーニングジムへ移動して、2時間半ほどウェイトトレーニングに汗を流す。私語がほとんどなく、トレーナーによる厳しいメニューを次から次へとこなしていく。
ウェイトトレーニングを終えると、今度はホテルに戻って勉強会だ。
なぜ今日はこういうトレーニングをしたのか。体の仕組みなどから細部に至る考え方まで意図を明確にするための講習があるのだ。
どれも、菊池がプロ入りして3年目以降に経験してきた工程だ。