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2000円でプロOBに習う最高の講習会。
「昔教わったことは間違いでした」

posted2019/02/10 09:00

 
2000円でプロOBに習う最高の講習会。「昔教わったことは間違いでした」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

野球の“常識”とされていたものも変化していく。現場の指導者にもアップデートの意志は大切なのだ。

text by

安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Hideki Sugiyama

 野球がオフの間の「冬」の時期は、私にとっては勉強の時期でもある。

 いいかっこをしているようで気恥ずかしいが、冬の間に探して勉強の場を求め、講演会や野球教室、講習会のたぐいに足を運んで話を聞き、一言一句漏らさぬようにメモに書き取り、なるほど、そういうことか……と頭の中を整理し、誤解を修正し、新たな知識を仕入れる。そういうことが好きである。

 こういう仕事をしていると、わかっているつもりだったことがあいまいな理解だったり、実はわかっていなかったり、そういうことにシーズン中に時々気づくのだが、野球が続いている時はどうしてもそっちを追いかけるのが先になって、“疑問”の解消が後回しになってしまう。

 シーズン中に溜まりに溜まったそういう“モヤモヤ”をクリーニングするのに持ってこいなのが、オフの勉強の機会なのだ。

 正式な講習会なので、名称をきちんと記しておこう。

「ベースボール・コーチング・セミナー  全国アマチュア野球指導者講習会・関東地区」という催しに行ってきた。  

 日本プロ野球OBクラブ(公益社団法人全国野球振興会)が主催しているもので、ロッテ浦和球場の、冬場なので「室内練習場」を会場に行われた。

講師はそうそうたる元プロ選手たち。

 室内といっても、プロの室内練習場は中が明るい。照明の光度も高いし、自然光を豊富に取り入れている。踏みしめる人工芝のクッションもここちよく、ここで「藤原恭大」が練習するんだ……と思うと、感慨またひとしおである。

 講師はもちろん、元・プロ野球選手たち。今日は、投手部門を元大洋ホエールズ・“ヒゲ”の齊藤明雄投手、捕手部門が元ロッテ・“鉄砲肩”の定詰雅彦捕手、内野守備は元西武・“ゴールデングラブ10回”の石毛宏典遊撃手、そしてバッティングについては元横浜・“和製大砲”の中根仁外野手が教えてくださった。

 生徒側は、中学、高校などの野球部の指導者の方たちが大半で、今回、指導者じゃなかったのは私だけだったようだ。

【次ページ】 バンザイのポーズから始まる投球姿勢。

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齊藤明雄
定詰雅彦
石毛宏典
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