猛牛のささやきBACK NUMBER
「名前、なげー!」なオリックスの
山崎颯一郎が、3年計画を前倒し中。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNoriko Yonemushi
posted2019/02/08 10:30
高卒3年目の山崎颯一郎、3年計画での育成を前倒して、一軍での活躍が今年見られるかもしれない。
永遠のテーマだったカーブが解決。
それは、将来一軍のエースになれる素材だと見込んでいるからこそだ。
「素材的には、なれると思います。やはりまっすぐがいい。前に飛ばないですから。ただ、まだまだ成長しないといけないので、このオフをどうやって過ごして、どういうかたちで春のキャンプに入ってくるかですね。あとは彼次第です」
昨年は、前半戦は調子が上がらなかったが、夏場にブランドン・ディクソンにナックルカーブを教わってから安定感が出てきた。
「カーブが永遠のテーマでした」と言うように、入団してからずっと「カーブさえなんとかなれば」と言い続けていたが、なかなか思うようにコントロールできずにいた。
しかし、人差し指を折り曲げて添える握り方をディクソンに教わって投げてみると、しっくりはまり、それまで投げていたカーブよりもはるかにコントロールしやすくなったという。
「教わってもうその日からすぐ、こっち(ナックル)にしました。ディクソンとは身長も近いし、共通する部分があるのかな、と」
主力投手が抜けて前倒しに?
シーズン後にはU-23ワールドカップの侍ジャパンメンバーに選出され、最優秀防御率に輝き準優勝に貢献した。
オフに金子弌大、西勇輝という先発ローテーションの軸が移籍したことで、山崎の3年計画が前倒しになる可能性は十分にある。
「チーム的には、ピッチャーは危機かもしれないですけど、自分にとってはチャンスだと思うので、つかみにいきたいなと思います。去年まではまだあまり自分のやりたいことがわからなかったんですが、今年は自分のやりたいことがはっきりしていて、それをやっています」