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現役のレジェンド、38歳の中村憲剛。
今も成長し続ける秘訣を聞いてみた。
posted2019/02/05 08:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Asami Enomoto
昨季シーズン終了後、長年、日本サッカー界を支えてきたレジェンドたちが、次々と現役生活にピリオドを打った。
川口能活、楢崎正剛、中澤佑二、小笠原満男――。彼らの突然の発表には、ファンやサポーターのみならず、選手や現役選手にも衝撃が走った。
川崎フロンターレ、中村憲剛も衝撃を受けた1人だった。
昨年12月27日、「満男さん」と題した自身の公式ブログの投稿の中では、長らくしのぎを削ってきた1歳年上の小笠原に700文字にも及ぶ惜別メッセージと労いの言葉を贈った。
取材時に同世代の選手たちについて聞くと、少し寂しそうな表情を見せ、こう語った。
「数年前から(鈴木)啓太とか、同じ時期にJリーグに入った選手が引退していって……。今回は結構こたえてますね。正直ショックです。ただ、逆に、彼らの分も頑張らなきゃいけないという気概も新たに生まれているんです」
「そういう慣例に流されたくない」
昨年10月に38歳の誕生日を迎えた。普通なら最盛期はとっくにすぎている年齢だ。しかし、チームメイトから“長老”と呼ばれる大ベテランのプレーは今もまったく衰えを感じさせない。むしろ、30代半ばを過ぎてもなお進化し続けている。
世間では“アラフォー”と呼ばれる年齢になっても、それが可能なのはなぜなのか。
「30歳を過ぎたら少し下り坂になって、35歳を過ぎたら“お疲れさん”みたいな、そういう慣例に流されたくないというか意地もあって。自分がどこまでやれるのか、今はチャレンジしているところです。
自分でもどこまでいくのか分からないですよ。でも、その気持ちを失わない限りは、まだやれるのかなという気はしてますけどね」
長老の言葉から進化の秘密がいろいろ見えてきた。