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現役のレジェンド、38歳の中村憲剛。
今も成長し続ける秘訣を聞いてみた。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byAsami Enomoto
posted2019/02/05 08:00
「10年前と比べて、劣っているところは多分あるんでしょうけど、それをカバーできるのもサッカーのいいところ」と38歳の司令塔は言う。
「だから変化に対する恐れはない」
なかなか出来そうで出来なそうなのが、“変化を厭わない+誰もが評価してくれる武器を持ち続ける”ことだ。
特に年齢を重ねれば、重ねるほど難しくなる。
「自分が主役という気持はもちろんありますが、それ以上に周りの選手がやりやすくなることで自分が生きると自認しています。
周りの選手によって自分の顔が変わるし、プレーも変わるし、色も変わる。だから変化に対する恐れはないし、むしろ、自分の幅が広がるチャンスだと思っている。
ただ、誰からも評価してもらえる武器をもっていなければ、この世界で生き残っていくのは難しい。
“中村憲剛”がいることで、チームがどれだけ助かるのか、有益なのかを自分自身が見せ続けないと」
「自分も先輩たちの姿を見てきた」
そして、当然ながらトレーニングは全力で。
「自分も先輩たちの姿を見てきたように、周りの選手は僕の背中を見る。諦めないこと、戦うことの大切さはそうやって伝承されてきている」
ベテランの域に達してもなお、若い頃から変わらずに黙々とやり続けることを見失わない。
その一方で、時代の変化や潮流には敏感に反応し、必要ならば自ら変化することを厭わない。