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風雲急を告げるプレミアCL争い。
ロンドン勢の不安とマンUの逆襲。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto press
posted2019/01/27 08:00
ケインが負傷してしまったトッテナムと、ポグバが完全復調したユナイテッド。プレミア後半戦は風雲急を告げている。
サッリは主力に休みを!
ミランからやって来たゴンサロ・イグアインもプレミアリーグのプレー強度をまったく知らないのだから、未知数ともいえるだろう。ナポリで同じ釜の飯を食ったといっても、サッリの救世主となる確率は高くない。
また、メンバーの固定化による疲労も気になるところだ。特にジョルジーニョは劣化し、オフ・ザ・ボールでのひ弱さは気の毒なほどだ。
いまからでも遅くはない。ジョルジーニョには、さらに疲れている主力には、2、3日の休暇を与えるべきだ。ところがサッリは来る日も来る日も同じメニューの練習を繰り返し、同じようなメンバー構成で週末の闘いに挑む。気が滅入る。
セスク・ファブレガスもモナコに去ったいま、チェルシーはゲームを組み立てられなくなる。それでもサッリは、ジョルジーニョを軸とした4-3-3にこだわるという。先が見えなくなってきた。
アーセナルはケガ人続出。
ダニー・ウェルベック、ロブ・ホールディングに続き、アーセナルはエクトル・ベジェリンまでもが今シーズン絶望の重傷を負った。痛めた左膝は全治9カ月。大きすぎるダメージだ。
カール・ジェンキンソン、ステファン・リヒトシュタイナー、エインズリー・メイトランド・ナイルズで右サイドバック、右アウトサイドをローテーションするしかないが、ベジェリンに比べると数段落ちる。
しかも、左サイドのセアド・コラシナツは守りが水準以下で、グラニト・ジャカやシュコドゥラン・ムスタフィはポカが多い。第23節のチェルシー戦ではプレー強度、連動性ともに申し分なかったものの、あの守りを常に見せられるほどの継続性があるかといえば、首を横に振るしかない。
さらに、ウナイ・エメリ監督のマンマネジメントも気になるところだ。早ければ1月いっぱいで、遅くとも今シーズン限りで退団するアーロン・ラムジーの優先順位が低いとはいえ、彼にまさるタレントが見当たらないことは事実だ。攻守の切り替えが鈍いメスト・エジルは扱いづらいかもしれないが、彼不在のチームは創造力が消えてなくなる。