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トルシエ「日本はまだ50%の力」
サウジ戦は今大会初の真剣勝負。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byREUTERS/AFLO
posted2019/01/21 11:30
「優勝のタイトルを持ち帰ることが目標」と宣言した森保監督。森保ジャパンの真の実力は、まだ発揮されていない!?
「サウジアラビアは強敵である」
――試合後に森保監督は「フィジカルコンディションは上がっている。チーム全体の総合力で勝ちえた勝利だった」と述べました。
「まったくその通りで、私がいままさに述べたことだ」
――本当の戦いが始まるラウンド16の相手はサウジアラビアです。
「サウジアラビアは強敵だ。難敵と言ってもいい。
もちろん日本には優勝する力があるが、サウジ戦こそは日本がその真の力を示すべき最初の試合だ。
万端の準備は出来た。自信も得られた。チームもひとつになっている。
しかもまだ本当の力を見せていない――これからが大会の後半戦、日本のチャレンジが始まる」
2000年のレバノン大会と似る状況。
――それでは森保監督に何かアドバイスをするならば、どんな言葉をかけますか?
「私が思うのは、この大会が2000年のレバノン大会にちょっと似ていることだ。似たような哲学とアプローチ、コレクティブなチームを構築し監督は選手に自信を植えつけた。選手は自分たちのやるべきことを十分に理解している。本当の意味でコレクティブなプロジェクトだ。
ここまで森保監督はやるべきことをやっている。
私が彼に言えるのは、このまま何も変えることなく続けるべきということだ。
彼の方法論は私のそれと通底している。誰もがチームメイトのためにコレクティブに貢献する。今は何もアドバイスの必要はない。すべてが首尾一貫していてロジカルであるからだ。戦略もマネジメントも一貫しており、選手と監督は強い絆で結ばれている。
たしかにチームはまだ若い。だが私もまた若いチームでアジアカップを制した。彼のチームも優勝のためのすべての要素を持っている。同時に今まさにチームを構築してもいる。
森保監督はチームの世代交代に成功したといえる。ここまでの結果が彼の目指す方向が正しいことを示している。試合内容を鑑みれば方法論は首尾一貫している。
だからマネジメントに関して言うことは何もない。本当に良くやっている。ただし決勝トーナメントは戦いのレベルが一気に上がる。日本にとってグループリーグは理想的なウォーミングアップだった。いい準備が出来た」