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菊池雄星と大谷翔平の恩師が語る、
花巻東育成メソッドと6年間の物語。
text by
佐々木亨Toru Sasaki
photograph byHideki Sugiyama
posted2019/01/15 10:30
菊池雄星と大谷翔平を高校時代に育て上げた花巻東の佐々木監督。
スピードという夢を継承して。
高校3年の夏。岩手県大会の決勝で涙を飲み、大谷は甲子園出場を逃す。それでも準決勝、一関学院戦で、アマチュア史上最速の160kmを記録した。それは「静の大谷」がピッチャーとしての欲求に流されずに我慢と成長を続けたことへの、野球の神様からの贈り物だったのかもしれない。
菊池が確立した「スピード」という夢を達成するためのメソッドを、大谷はしっかりと受け継いだのだ。2つの巨星が岩手の地で、絶妙なリレーを遂げたことは奇跡に近い。
菊池は昨年8月に158kmを、大谷は'16年10月に165kmを記録した。彼らは今、左右の日本球界最速投手として日米のマウンドに立ち続けている。
(Number959号『智将が明かす育成メソッド 源流から大河へ。』より)