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2019年はF1通算1000戦イヤー。
節目のレースを彩った名手列伝。
posted2019/01/13 10:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Masahiro Owari
2019年のF1は、大きな節目を迎える。
1950年にF1世界選手権として産声をあげたF1は、'18年の最終戦アブダビGPで997戦を終えた。つまり、'19年の3戦目がF1グランプリ通算1000戦目となる。
F1界にとってこの1000回目のレースがいかに重要であるかは、'19年の日程を調整していた段階で、3戦目のグランプリをイギリスのシルバーストン・サーキットで開催しようと計画していたことでもわかる。
シルバーストンは第1回F1グランプリがスタートした聖地。F1商業部門を率いるショーン・ブラッチズ(マネージングディレクター兼コマーシャルオペレーター)は「1000戦目がシルバーストンで行なわれることは、素晴らしいアイディアだ」と語っていた。
例年、イギリスGPは7月に開催されてきた。この時期のイギリスはテニスのウィンブルドン、ゴルフの全英オープンなど、イギリスの短い夏を謳歌するために多くのスポーツイベントが行われ、伝統行事になっている。
1000回目のレースは中国GPに。
一方、緯度が日本よりも高いイギリスの春は遅い。4月でも寒い日が続くことは珍しくなく、雨が降れば真冬のような寒さとなる。過去には'00年にイギリスGPが4月に開催されたことがあったが、週末に降った雨によってサーキットを車で訪れた観客が駐車場内で立ち往生して大渋滞が起きるなど混乱を招き、以後イギリスGPは6~7月に開催されてきた経緯があった。
そのため、主催者側も1000戦目のグランプリをF1発祥の地で開催することは断念。開幕戦のオーストラリアGP、第2戦バーレーンGPに続く3戦目のレースは、当初の予定通り中国GPとした。
1000回目のレースに注目しているのは、主催者だけではない。レースを戦うドライバーたちにとっても重要な一戦となるはずだ。それは過去の節目のグランプリでは常に名勝負が繰り広げられ、名ドライバーが勝利してきたからだ。