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2019年はF1通算1000戦イヤー。
節目のレースを彩った名手列伝。 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byMasahiro Owari

posted2019/01/13 10:00

2019年はF1通算1000戦イヤー。節目のレースを彩った名手列伝。<Number Web> photograph by Masahiro Owari

昨年最終戦のアブダビGP。1000戦メモリアルレースではどんな名勝負が繰り広げられるか。

第1回王者はアルファロメオで。

 記念すべき第1回のF1グランプリを制したのは、イタリア人のジュゼッペ・ファリーナだった。ポールポジションからスタートしたファリーナが駆るアルファロメオはそのままトップでチェッカーフラッグ。F1の歴史はファリーナのポール・トゥ・ウィンとともに華やかに幕を開けた。

 それから11年後の'61年、100戦目となった第6戦ドイツGPを制したのはロータスに乗るスターリング・モスだった。通算16勝をあげながら無冠に終わったモスにとって、これが最後の優勝であり、最後の表彰台であり、最後に完走を果たした思い出深いレースとなった。

 200戦目は'71年の第3戦モナコGP。華やかな舞台で勝利したのは通算3度の王座を獲得したジャッキー・スチュワートだった。この一戦にスチュワートはモーターレースファンとして知られる映画監督で、友人でもあるロマン・ポランスキーを招いていた。

 世界三大レースのひとつでもある華やかなモナコGPを訪れたポランスキーは、F1が単なるモータースポーツとしてだけでなく、世界最高の社交場として輝いている様子をフィルムにとらえ、『ウィークエンド・チャンピオン~モンテカルロ1971~』として、'72年のベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映したほどだった。

400戦目を制した不死鳥ラウダ。

 '78年第3戦南アフリカGPで開催された300戦目のレースを制したのは、ロニー・ピーターソンだった。所属するロータスは、空気流を利用してダウンフォース(地面にマシンを押し付ける力)を得てコーナーリングスピードをあげることを可能にした画期的なマシン、グランドエフェクトカーを開発して、この年チャンピオンを獲得。しかしピーターソンはこのレースの6カ月後に行われたイタリアGPで事故に遭い、その後帰らぬ人となった。

 400戦目を制したのは、不死鳥ニキ・ラウダ。'84年第12戦オーストリアGPはオーストリア人のラウダにとって初の母国優勝となっただけでなく、オーストリア人にとっても、現時点で唯一の同国人ドライバーの優勝という、忘れられない勝利となっている。

【次ページ】 ピケとマンセルの名勝負。

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