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2019年はF1通算1000戦イヤー。
節目のレースを彩った名手列伝。 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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posted2019/01/13 10:00

2019年はF1通算1000戦イヤー。節目のレースを彩った名手列伝。<Number Web> photograph by Masahiro Owari

昨年最終戦のアブダビGP。1000戦メモリアルレースではどんな名勝負が繰り広げられるか。

ピケとマンセルの名勝負。

 '90年のオーストラリアで開催された500戦目のレースは手に汗握る一戦となった。優勝争いを演じたのはネルソン・ピケ(ベネトン)とナイジェル・マンセル(フェラーリ)だった。'86年と'87年にチームメートとしてタイトル争いを演じた2人のバトルは、ファイナルラップにクライマックスを迎えるが、最後まで接触することはなかった。

 前年とこの年の日本GPでは、アイルトン・セナとアラン・プロストが2年連続で接触事故を起こしていた後だっただけに、勝ったピケだけなく、クリーンなバトルを演じたマンセルにも500戦目を盛り上げた敗者として大きな拍手が贈られた。

 600戦目の'97年第3戦アルゼンチンGPを制したジャック・ヴィルヌーヴ(ウイリアムズ)に続く、700戦目のウィナーは混乱の中で誕生した。'03年第3戦ブラジルGPは、雨が降る中、クラッシュするマシンが続出。終盤、赤旗が出され、終了する。

 赤旗によってレースが終了した場合、その2周前の順位を適用するルールを巡って、現場が混乱。一度はキミ・ライコネン(マクラーレン)が勝者となったが、後日FIAが順位を訂正。翌第4戦サンマリノGPでジャンカルロ・フィジケラ(ジョーダン)がライコネンから優勝トロフィを渡された。

アロンソとハミルトンも……。

 第800戦は疑惑の一戦となった。'08年第15戦シンガポールGPを制したのはフェルナンド・アロンソ(ルノー)だったが、1年後にチームメートのネルソン・ピケJr.が、アロンソを優勝させるために故意にクラッシュしたことを暴露。チーム代表のフラビオ・ブリアトーレはF1とFIAが管轄するすべてのイベントから永久追放され、技術部門のトップにいたエグゼクティブディレクターのパット・シモンズも5年間追放されるほどの大事件となった。

 900戦目は'14年第3戦バーレーンGPだった。最新の技術が搭載されたパワーユニットが導入されたこの年、開幕から2戦目まではトラブルが相次ぎ、F1らしい迫力が感じられない序盤戦だった。しかし、900戦目となったバーレーンGPは、レース終盤にセーフティーカーが導入されたこともあって、随所でバトルが展開される迫力ある一戦に。その激闘を制したルイス・ハミルトンとメルセデスは、その後のF1界を席巻していくことになる。

 '19年4月14日、上海インターナショナル・サーキットで開催される1000回目のレース。勝者がだれになろうとも、歴史に刻まれる一戦が記憶に残る名勝負になることを願いたい。

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