プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
新IWGP王者棚橋弘至が見た風景。
来年の新日本は東京ドーム2連戦だ!
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2019/01/08 18:30
棚橋らしい棚橋が帰ってきた! 笑顔と強さを取り戻した新IWGP王者が、2019年のプロレス界を燃え上がらせてくれるはずだ。
テーブルに向けて高く飛んでみせた!
「明確なイデオロギーの境目をボヤッとさせる。ただ勝つだけじゃない。ただ叩き潰して焼け野原で終わるんじゃない。試合後に救いを見出す。それがボクの理想とする、理想に近いプロレスなんです」
決意した棚橋はオメガをテーブルに寝かせると、コーナーポストに駆け上がって場外で高く飛んでみせたのだ。
棚橋自身8度目のIWGPヘビー級王座戴冠だった。
「何回も巻いてきたベルトなんですけど、初めてベルトを巻いたような感覚です」
棚橋は嬉しさを隠さなかった。
「ケニーに対する怒りっていうのは最初から抱いていたものではなくてね。そのケニーが新日本を侵攻していく中で大事なものが壊されていくんじゃないかっていう危機感なんだけれど……これで長岡で負けて、ドームで勝って、ケニーとは1勝1敗なんで、さあ次いつやりますか、という感じです」
気になる……「AEW」の怪しい動き。
気になることがある。アメリカのフロリダ・ジャクソンビルで昨年11月に設立された新団体「AEW」(オール・エリート・レスリング)が活動を始めたことだ。
代表はアメリカン・フットボールの経営者でビジネスマンのトニー・カーン。副社長にはコーディ・ローデスとヤングバックスの2人が名前を連ねている。そして団体のテーマは「Change the World」だ。
全貌は明らかではないが、この存在が今後、新日本プロレスとどうかかわって来るのか注目される。
ヤングバックスに飯伏幸太も加えた「ゴールデン・エリート」というチームがオメガによってお披露目されたのは昨年6月9日の大阪城ホール大会だったから、団体設立の計画はその頃から進んでいたとみていいだろう。
元をたどれば……この新団体そのものが新日本プロレスのバレット・クラブが起源なのだから。