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エジルの正統後継者は文武両道。
ハフェルツの市場価値が爆上がり。 

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遠藤孝輔

遠藤孝輔Kosuke Endo

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photograph byUniphoto press

posted2019/01/01 10:00

エジルの正統後継者は文武両道。ハフェルツの市場価値が爆上がり。<Number Web> photograph by Uniphoto press

ロシアW杯惨敗からの再建を目指すドイツ代表。ハフェルツら新星の活躍で復権を目指したい。

文武両道のプレーメーカー。

 ハフェルツは文武両道の人でもある。プロデビューした2016-17シーズンに学業との二足の草鞋を履き、アビトゥーア(大学に入学するための資格)を取得した。その聡明な頭脳はプレーにも生かされている。

 さながらピッチを俯瞰で捉えているかのように、時間もスペースもない敵陣の深い位置でボールを持っても慌てずに、タイミングも質も申し分のないパスを味方に通す。よく比較されるのはエジルで、本人も意識しているようだ。

「彼を真似たと言われても問題ないよ。僕は彼のプレーが好きだからね。それにドイツサッカーのために多くのことをしたプレーヤーだし、僕にとってはちょっとしたロールモデルなんだ」

 他者との比較を嫌う選手が多い中で、19歳の若さに見合わない"大人の余裕"を感じさせるのは、本人曰くユース時代にパーソナリティーの欠如を批判されたからだという。だが、今は違う。プロ3年目ながら「僕はレバークーゼンで責任を負う立場」と語ると同時に、自分自身に発破をかけているようにも映る。

ナイトライフ、ゴシップと無縁。

 もっとも、図に乗った様子はまったくなく、周囲への感謝の気持ちを忘れない。とりわけ両親に対する思いは特別だ。メディアから生い立ちを聞かれるたびにこう答えている。

「両親に何か恩返しすることをずっと目標にしてきたよ。2人は僕の夢のためにたくさんの投資をしてくれた。いつもトレーニングや試合の送迎をしてくれたしね。母親にとっては簡単じゃなかったと思う。だって、15歳の息子がレバークーゼンでプレーするために、突然親元を離れることになったんだから」

 その両親から「いつも謙虚であれ」と叩き込まれたハフェルツは、派手なナイトライフなどゴシップ沙汰とは無縁。趣味は音楽で、聴くだけではなく、時間を見つけては幼少期から嗜むピアノを演奏している。好きなジャンルはクラシックと現代音楽だ。職業であるサッカーから頭を一旦切り離し、リフレッシュするためのツールとして欠かせぬものになっている。

【次ページ】 市場価格は6500万ユーロ。

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