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広島・森崎和幸、引退決断の真相。
見守り続けた西岡明彦アナとの絆。 

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石倉利英

石倉利英Toshihide Ishikura

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photograph byToshihide Ishikura

posted2018/12/28 17:30

広島・森崎和幸、引退決断の真相。見守り続けた西岡明彦アナとの絆。<Number Web> photograph by Toshihide Ishikura

森崎和幸のキャリアには、いつも西岡明彦アナが寄り添っていた。

3人で話し合って企画を作る。

 西岡氏は現役選手のマネジメントは未経験だと伝えたが、「『それでもお願いします』と言われたので、じゃあやってみるよ、ということになったんです」。こうして現役選手のマネジメント第1号・第2号として契約を結び、森崎ツインズとの関係が始まった。

 森崎和幸・浩司の2人とマネジメント契約を結んだ西岡氏は、いろいろなことを話し合いながら活動を進めていった。

 たとえば、2人がサンフレッチェのホームゲームにファン・サポーターを招待する『ツインズシート』という企画。2人と(株)フットメディアで指定席を購入し、募集・抽選をしてチケットを発送するにあたり、招待の対象は3人で話し合った。スポーツ少年団、個人のペアなど、シーズンごとに変えながら、多くの人にスタジアムに足を運んでもらってきた。

浩司が2016年に引退し……。

 西岡氏は、2人とクラブの契約交渉のサポートも行った。かつては有資格者でなければ選手とクラブの交渉に同席できなかったので、事前にデータを集めたり、交渉内容についてアドバイスしたり。

 やんちゃな弟・浩司はそうしたことが得意ではなかったが、しっかり者の兄・和幸は任せても心配なかった。やがて制度が変わり、仲介人となった西岡氏は交渉にも同席できるようになり、キャリア終盤の2人を見守ってきた。

 2016年限りで浩司が現役を引退した後、和幸は苦闘が続いた。2017年は以前から抱える体調不良の影響で、開幕前のキャンプ中に離脱。チームも1年を通してJ1残留争いを強いられ、現役時代から慕う森保監督の退任もあった。2018年も同様にタイでのキャンプ中に離脱・帰国し、1年前よりも長期にわたって練習に合流できなかった。

「タイから帰国するときに連絡が来て、その後はカズの奥さんから状態について聞いていました。その後も何度か向こうから電話が来ましたが、こちらからは連絡しなかったですね」

【次ページ】 本人の意思とクラブの気持ちの間で。

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