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ゴミ拾い、挨拶、感謝。得点を呼ぶ
鹿島・鈴木優磨の“ふだんの行い”。

posted2018/12/31 07:00

 
ゴミ拾い、挨拶、感謝。得点を呼ぶ鹿島・鈴木優磨の“ふだんの行い”。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

負傷のためクラブW杯を欠場した鈴木優磨。2019年はフルシーズンの活躍を見せ、日本代表にも食い込みたいところ。

text by

池田博一

池田博一Hirokazu Ikeda

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J.LEAGUE

 つくづく「見た目とは違う男だなあ」と思う。

 金髪、ガニ股、ピッチでは目をぎらつかせ、闘争心を全面に出して戦う。その姿を見るたびに。

 鈴木優磨。よく言われる言葉は「意外と普通なんですね」。むしろ、周囲に気配りするタイプだ。ピッチ上で見せる姿と、ピッチ外で見せる姿は違う。

「ピッチ上の自分が普段も同じだったらヤバい人ですよね」

 はにかみながら語る。

 小さい頃からプロレスが大好きだった。海外のプロレスに始まって、日本のプロレスを見るようになり、最近はダゾーンでWWE観戦を欠かさない。

相手に迫られてもふと笑う。

 その影響があるのかもしれない。

 ファウルを受けたときのリアクション、相手が感情的になって迫り来るのを迎える対応。相手に迫られても、ふと笑みを見せる。どれもどこか余裕が感じられる。もちろん相手の挑発に乗ることはない。あくまでピッチ上で主導権を引き寄せ、チームが勝つための駆け引きでしかない。

 今季、鹿島アントラーズで大きな成長を遂げた男は、これまでどんな道筋を歩んできたのだろう。

 アントラーズの下部組織で育った。地元は千葉県銚子市。幼稚園でサッカーを始めると、小学校に上がってすぐにアントラーズのスクールに入った。柏レイソルという選択肢もあったが、すでにサッカーを始めていた3つ上の兄の影響で、片道1時間、祖父の送り迎えで鹿嶋へ通った。

 練習がない日でも、学校の休み時間でも、いつもボールを蹴って日々を過ごした。とにかくボールを持つのが大好きで、ボールを持てばドリブルでゴールを目指した。

【次ページ】 俺が一番うまかったから。

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