【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
『グラゼニ』凡田夏之介vs.池田純氏。
球団買収には野球協約、球史を知るべし!
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byNumber/Morning
posted2018/12/27 07:00
この2人が組めば、いつの日か……『グラゼニ 球団オーナー編』が誕生するかも!?
人望や人脈も評価の対象となる。
夏之介「僕も、対戦相手の研究は欠かしません。自分の投げている感覚ももちろん大事にしたいけれど、相手のデータがあるなら知っておきたいですよね。
チームのアナリストやキャッチャーとコミュニケーションをとりながら、年俸だけじゃなくて、得意なコース、苦手なコース、最近の調子などを頭に叩き込んで、ベストの準備をした上で対戦したいなといつも思ってます。それと同じですね!」
池田「そう。準備ができたら、あとはひたすら、球を投げ込むがごとく、正しい順番で、ターゲットと面会の機会を持ち、あの手この手でこちら側の熱意を伝えていくんです」
夏之介「そうすることで、何が起きるんですか」
池田「少しずつ、本当に少しずつですけど、話を聞いてくれる人が増えてきます。やがては球団オーナーさんとも話ができるようになって、プロ野球という狭い社会の中に入ることができるのです。そこからも、正しい手順でコトを進めれば、球団買収への道は必ず開けてくるはずです」
夏之介「なるほど……。そうなってくると、裏道はなさそうですね。いろいろと根回しの準備も大変だし。でも、正面からぶち当たるだけでは、門は開かなそうです」
池田「そうなんです! だいぶビジョンが共有できてきましたね。あとは、どれだけ多くの人に、夏之介選手とメジャーのスター選手が組んだファンドを信用してもらえるか。
それは、まさに夏之介選手の、野球選手としてのキャリアだけでなく、人望や人脈も評価の対象となるわけです。
あいつはしっかり現役時代、自分の役割を全うしていたな、とか、不遇の時代にも腐らずに努力を続けていたな、とか、後輩選手をしっかり面倒見ていたな、であるとか」
夏之介「うわ……。そういうところも見られてしまうのか……」
夏之介は、ふと我が身を振り返ってみた。渡り歩いた球団は、メジャーリーグを除けば3球団目。前に所属していたスパイダース、モップスの人たちは、自分をどのように見ているだろう。モップスは僕の中継ぎとしての能力は買ってくれていたが、先発をやりたかったから他球団に移籍しようとした。古巣であるスパイダースについては、昨年移籍の誘いを受けたが断っている。悪印象は持たれていないよな??? うーん……わからない……。