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「自分のバスケの原点はお父さん」
父が明かす、馬場雄大が育つまで。
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byItaru Chiba
posted2018/12/14 07:00
30日のカタール戦で13得点、3日のカザフスタン戦でも11得点をあげ地元・富山のファンを沸かせた馬場。
五輪出場という夢も現実味を帯びてきた。
時間を有効に使うということでは、筑波大への推薦入試を受けた時も同様。ウインターカップの出場権を獲得した翌日、雨の中自転車で帰宅しようとした馬場は、奥田ミニバスの親御さんが運転する車にぶつかる交通事故にあってしまう。頑丈な身体ができていたとはいえ、腰の骨を折るケガを負った影響で、ウインターカップに万全な状態で臨むことができなかった。
しかし、ケガで練習ができない間、馬場は推薦入試で出される小論文の勉強に集中。92点という高得点で見事合格する。筑波大の吉田コーチは敏春さんに電話した際、「(筑波の)スタッフになってから初めてですよ、こんなにいい点を取った子は!」と話したという。
筑波大に合格できたのは、定期テストでしっかり成績を残していたことも大きい。高校2年と3年生の時は、学業成績がクラスNo.1。「彼は試験に集中できる。社会は範囲のところをすべて暗記していましたし、平均が90点以上でした」という敏春さんの話からも、馬場はやらなければならないことをしっかりできる人間に成長していた。
ウィンドウ5のカタール戦とカザフスタン戦でのステップアップは、高い集中力を肝心なところで発揮できる、馬場のいいところが出たと言える試合だった。息子の活躍をワールドカップや東京五輪でみたいという敏春さんの夢が、少しずつ現実味を帯びてきているのはまちがいない。