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劇場に響く「WE WILL ROCK YOU」。
フェンシング日本一決戦の超演出。
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph bySho Tamura/AFLO SPORT
posted2018/12/11 07:00
普段は演劇などを上演する東京グローブ座にて各種目の決勝が開催された。
チケット販売もない時代を経て。
選手だけでなく観客に目を向けても、まだ圧倒的に関係者が多い客席や、準決勝までの試合は複数ピストで試合が行われるためどの選手がどこにいるのかわかりづらいこと。華やかな成功がある一方、着手しなければならない課題も山積みではある。
だが、太田がメダルを取る前、取った後も2010年までの全日本選手権は、翌年の国体会場となる各地方で行われ、チケット販売などあるはずもなく、メディアも数えるほどしかいなかった。
だからこそ改革に踏み出す。だからこそ、得られる失敗も課題も、すべてがこれからにつながる、今はまだ小さくても確かな一歩だ。
太田が言った。
「嬉しかったのは、販売から40時間でチケットが売り切れたことよりも、大会から3カ月前にチケットを売り出せたこと。これはフェンシング界では当たり前じゃありませんでした。当たり前のことを当たり前にコツコツやっていく。僕はそれが一番重要なことだと思っていますし、これからもチャレンジし続けます」
フェンシングが変わった。いや、まだまだ。フェンシングは変わる。失敗と成功を繰り返しながら、新たな道を切り拓く。次はどんな展開を見せるのか。楽しみは尽きない。