野球のぼせもんBACK NUMBER
千賀滉大が則本昂大に“白旗”も、
「僕は三振を獲れる投手でありたい」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKotaro Tajiri
posted2018/12/07 10:30
オレンジリボンのピンバッジを付け、シーズン中とは違う笑顔をみせる千賀滉大。
育成出身のプライドの裏返し。
ただ、それが育成選手から這い上がってきたというプライドの裏返しなのだろう。
「育ちでしょうね。僕は野球の強い学校でやってたわけでもないし、育成からのスタート。弱い、どうにかしないと、としか考えてこなかった。そもそもプライドを持ってプロに入ってきたわけではない」
今年はレギュラーシーズンで163個の三振を奪った。投球回数は141イニング。それを上回る数字だ。プロ通算でも559イニングを投げて630奪三振をマークしており、奪三振率に直せば10.14になる。ほぼ毎年イニング以上の奪三振を記録している。
ただ、現在の球界でドクターKといえば、この日のトークショーでも同席し、普段からも連絡を取り合う仲でもある則本だ。今季まで5年連続パ・リーグ奪三振王に輝いている。
来季は、その牙城を崩しにかかると期待が膨らむが、千賀は相変わらずだ。
「いや、それは無理(笑)。200奪三振? このような活動をするのに言うのもなんですが、数字も考えない。それよりも1年間しっかり投げること。それができれば、数字は付いてくると思います」
勝利へのモチベーションを。
今季は規定投球回数にわずかとはいえ届かなかったことを心から悔しがった。また、レギュラーシーズンに加えて、クライマックスシリーズや日本シリーズも支援の対象となる。個人成績のみならず、チームの勝利に対するモチベーションもさらに上がる。
この運動のシンボルカラーとなっているオレンジは「子どもたちの明るい未来を示す色」として採用された。
野球で、人は救えるのだ。
千賀は来季、使用するグラブに「オレンジリボン」を模したマークを入れる計画だという。また、「ベースボール・レジェンド・ファウンデーション」の岡田代表によれば、インターネット上で、ファンもまた千賀に賛同する形で支援活動できる仕組みを整える準備を行なっていくつもりとのことだ。